はじめに
前回の記事の続きでネットワークやドライバ周りのセットアップ作業をしていきます。
ネットワークの設定
今回は KVM を使用するので、ブリッジの設定と IP アドレスの固定化を行っていきます。
まずは仮想ブリッジの設定に必要なパッケージをインストールします。
仮想ブリッジとは仮想的な L2 スイッチを構成する機能です。今回のマザーボードには物理的には LAN ポートは一つしかありませんが、仮想的な L2 スイッチにすることで複数の仮想マシンに接続された仮想 NIC を接続することができるようになります。
$ sudo apt install -y bridge-utils
まずは NIC のインターフェイス名を確認します。
$ ip addr
1: lo: ...
2: enp9s0: ...
3: wlp7s0: ...
: (省略)
今回は enp9s0
と wlp7s0
の2つがありますが、有線 LAN である enp9s0
の方に設定を行います。
debian10 ではネットワーク設定は /etc/network/interfaces
を編集することで行います。
$ vim /etc/network/interfaces
エディタで開いたあと、以下のように記述します。
自宅の設定に合わせて、接続するネットワークアドレスが 192.168.20.0/24
、DNS とデフォルトゲーが 192.168.20.1
になるように設定しています。
固定 IP は 192.168.20.10
に設定しています。このあたりはお好みで。
ルーターの設定で DHCP から割り当てられるローカル IP を固定化する方法もあります。
が、今回は Linux 側で設定します。
またブリッジに使用するインターフェイス(bridge_ports
)としてenp9s0
を設定しています。
source /etc/network/interfaces.d/*
# The loopback network interface
auto lo
iface lo inet loopback
iface enp9s0 inet manual
# primary interface
auto br0
iface br0 inet static
address 192.168.20.10
network 192.168.20.0
netmask 255.255.255.0
broadcast 192.168.20.255
gateway 192.168.20.1
dns-nameservers 192.168.20.1
bridge_ports enp9s0
bridge_stp off
設定変更後 restart します。
systemctl restart networking
でも可能ですが、念の為再起動しました。
$ sudo shutdown -r now
再起動後、インターネットと通信ができるか確認します。
今回は apt update
を使用しました。
$ sudo apt update
一応内部からも ping で確認しました。
同じネットワーク内の手持ちのノートパソコン(Macbook)から確認しています。
$ ping -c 5 192.168.20.10
これでひとまず固定 IP 化とブリッジの設定は完了です。
SSH の設定
物理的にキーボードとディスプレイを繋いで作業を行うのは非常に面倒なので、今後の CLI の作業はすべて SSH から行います。
daemon が起動しているかステータスを確認します。
$ systemctl status sshd
自動起動が有効になっているか確認します。
$ sudo systemctl is-enabled sshd
enabled
インストール時に openssh-server をインストールしているので使用できるはずですが、動作確認します。同じネットワークの別 PC から SSH で接続します。
$ ssh 192.168.20.10
SSH 経由で接続できればひとまず設定は問題ありません。
ドライバのインストール (GTX1650)
デフォルトは nouveau というオープンソースのドライバを使用しています。
まずは PCI 接続しているデバイスとして認識されているか確認します。
$ lspci
私の場合は以下のように認識していました。
0a:00.0 VGA compatible controller : NVIDIA Corporation TU107 (rev a1)
0a:00.1 Audio device : NVIDIA Corporation Device (rev a1)
使用しているドライバを確認します。
$ lspci -nnk -d 10de:1f82
0a:00.0 VGA compatible controller [0300]: NVIDIA Corporation TU107 [10de:1f82] (rev a1)
Subsystem: Gigabyte Technology Co., Ltd TU107 [1458:400e]
Kernel driver in use: nouveau
Kernel modules: nouveau
$ lspci -nnk -d 10de:10fa
0a:00.1 Audio device [0403]: NVIDIA Corporation Device [10de:10fa] (rev a1)
Subsystem: Gigabyte Technology Co., Ltd Device [1458:400e]
Kernel driver in use: snd_hda_intel
Kernel modules: snd_hda_intel
nouveau が使用されているので、nvidia のドライバをインストールして適用します。
$ wget http://jp.download.nvidia.com/XFree86/Linux-x86_64/430.09/NVIDIA-Linux-x86_64-430.09.run
$ chmod +x NVIDIA-Linux-x86_64-430.09.run
$ bash NVIDIA-Linux-x86_64-430.09.run
$ sudo reboot
再起動後、ドライバが nvidia
になっているか確認します。
$ lspci -nnk -d 10de:1f82
0a:00.0 VGA compatible controller [0300]: NVIDIA Corporation TU107 [10de:1f82] (rev a1)
Subsystem: Gigabyte Technology Co., Ltd TU107 [1458:400e]
Kernel driver in use: nvidia
Kernel modules: nouveau, nvidia_drm, nvidia
これで GPU のドライバのインストールは完了しました。
最後に
次は VNC のインストールを行います。